Require A To Doの意味・使い方解説|that節・受動態の罠
グローバルビジネスの現場やTOEIC L&Rテストで頻出する動詞「require」。学校教育では単に「〜を必要とする」「〜を要求する」と教えられますが、実際のビジネス文書や公的アナウンスでは「require A to do」や受動態「be required to do」、さらには「require that節(動詞の原形)」など、複数の語法が厳格なルールのもとに使い分けられています。
特に「require A of B」との混同や、動名詞をとる場合の特殊な受動的ニュアンス、that節内での仮定法現在の運用など、学習者がつまずきやすい落とし穴が数多く存在します。本稿では、大手企業の実務マニュアルやコーパスデータ、TOEICの出題傾向を分析し、requireの正確な語法と実践的な使い分けを網羅的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「require A to do」は「Aに〜することを法・規則・契約等で義務付ける」という客観的で強い拘束力を持つ語法である。
- 要点2:that節を伴う場合は「require that S (should) 原形」となり、受動態の「A is required to do」への書き換えがビジネス文書やTOEICで圧倒的に多用される。
- 要点3:「demand(主観的・強圧的)」「request(丁寧・選択の余地あり)」とのニュアンスの違いを理解し、前置詞構文「require A of B」との混同を防ぐことが重要である。
【基本と核心】require A to doの意味と客観的な語法ルール
「require A to do」の最も根幹となる意味は、「規則・法律・契約・職務上の要件に基づき、Aに対して〜することを義務付ける・要求する」です。第5文型(S + V + O + to do)を形成し、主語には人間だけでなく、制度・法律・状況などの無生物主語が頻繁に配置されます。
日常会話の「ask someone to do(〜するよう頼む)」に比べ、requireは個人の感情や主観的な願望ではなく、客観的なルールやシステムによる拘束力を明確に示す特徴があります。
【基本的な例文と構造】
・The new company policy requires all employees to complete the security training by Friday.
(会社の新しい方針により、全従業員は金曜日までにセキュリティ研修を修了することが義務付けられている。)
・Federal regulations require passengers to fasten their seatbelts during takeoff.
(連邦規則により、乗客は離陸時にシートベルトを着用することが義務付けられている。)

【文法トラップ】that節では原形動詞?It is required that構文と動名詞の罠
requireを扱う上で、文法問題や英文作成時に最もミスが発生しやすいのが「that節」と「動名詞(-ing)」の扱いです。英語の要求・提案・命令を表す動詞(require, suggest, insist, orderなど)がthat節を従える場合、節内の動詞は「仮定法現在(原形動詞)」または「should + 原形動詞」(主にイギリス英語)になります。主語が三人称単数であっても、現在形の一致(-s)や過去形への時制の一致は適用されません。
【that節構文の正しい形】
・The contract requires that he submit [× submits / × submitted] the financial report immediately.
(契約書は、彼が直ちに財務報告書を提出することを求めている。)
形式主語を用いた「It is required that...」構文でも同様のルールが適用されます。
・It is required that every applicant have [× has] a valid passport.
(すべての応募者が有効なパスポートを所持していることが必須とされている。)
また、requireの後ろに直接動名詞(-ing)が続く場合、「〜される必要がある(受動の意味:need doingと同等)」という意味になります。「require to do」という能動の不定詞を直接目的語に取ることは文法上できないため、この違いは厳格に区別しなければなりません。
・The printer requires repairing.(= The printer requires / needs to be repaired.)
(そのプリンターは修理される必要がある。)
【受動態への書き換え】be required toの使い方とビジネス頻出パターン
ビジネス英文や公的規約において、「require A to do」の能動態以上に遭遇頻度が高いのが受動態の「be required to do(〜することが義務付けられている/〜しなければならない)」です。
能動態の目的語(A)を主語に引き出すことで、責任の所在を明確にしつつ、規則としての客観性を強調する表現になります。
【能動態から受動態への書き換えプロセス】
・能動態:The law requires drivers to carry their license at all times.
・受動態:Drivers are required to carry their license at all times.
(ドライバーは常に免許証を携帯することが義務付けられている。)
外資系企業の就業規則(Employee Handbook)やSaaSの利用規約(Terms of Service)では、「You must do」という威圧的な表現を避け、公的なトーンを保つために「Users are required to...」「Staff members are required to...」という形式が標準的に採用されています。

【データ徹底比較】require・demand・request・askの強制力と使用場面の違い
英語で「要求する・頼む」を意味する主要動詞には、それぞれ固有の強制力(拘束性の強さ)と使われる文脈の棲み分けが存在します。ニュアンスのズレによるコミュニケーションの摩擦を防ぐため、以下の比較表で整理します。
| 動詞 | 強制力・語気レベル | 文法パターン | 主な使用シーン・相手 |
|---|---|---|---|
| require | ★★★★☆(客観的・公式な義務) | require A to do require that節 (原形) | 契約書、社内規則、公的機関の要件通知 |
| demand | ★★★★★(主観的・強圧的・拒絶不可) | demand that節 (原形) ※demand A to doは誤用 | 労使交渉、クレーム、緊急の権利主張 |
| request | ★★☆☆☆(丁寧・公式な依頼) | request A to do request that節 (原形) | クライアントへの依頼、案内メール、公的告知 |
| ask | ★☆☆☆☆(日常的・協力を促す) | ask A to do ask for A | 同僚間の日常業務、口頭でのカジュアルな依頼 |
重要な識別ポイントとして、demandは「demand A to do」という語法をとることができない(現代英語では破格・誤用とされる)点があります。一方、requireとrequestは「〜 A to do」と「〜 that節」の双方を標準的に使用できます。
【盲点と誤解】require A of Bの意味と「require A to B」の真相
検索クエリや学習者の質問で散見される「require a to b」という文字列ですが、前置詞「to」を用いて「BにAを要求する」と表現するのは文法的な誤りです。正しくは前置詞「of」を用い、「require A of B(BにAを要求する/AをBの責務とする)」の形をとります。
【require A of B の実例】
・Integrity and accountability are the two core values required of all managers.
(誠実さと説明責任は、すべての管理職に求められる2つのコアバリューである。)
・What exactly does the supervisor require of us in this project?
(このプロジェクトで、主任は私たちに具体的に何を要求しているのか?)
この構文は「A is required of B(AがBに求められる)」という受動態でも極めて頻出です。「人に対して求める」際の前置詞は「to」ではなく「of」になるという規則を確実に定着させておく必要があります。

【TOEIC頻出動詞】Part 5・6で確実にスコアを稼ぐ出題パターンと時短解法
TOEIC L&RテストのPart 5(短文穴埋め問題)およびPart 6において、requireは頻出単語の上位に位置します。出題されるパターンは主に以下の3通りに集約されます。
1. 空所補充:be required to の不定詞識別
文頭に主語、助動詞やbe動詞が配置され、空所の直後に「to + 動詞の原形」が続いている場合、選択肢から過去分詞「required」を選ぶパターンです。
(例:All visitors are to sign in at the front desk. → 正解:required)
2. 空所補充:that節内の原形動詞(仮定法現在)
主節に「The manager requires that...」があり、that節内の動詞の形を選ぶ問題では、三人称単数の主語であっても迷わず動詞の原形(または受動態なら be + 過去分詞)を選択します。
3. 類語言い換え問題(Part 7)
文脈に応じた同義語の選定が問われます。義務付けの意味では「mandate」「obligate」、必要条件の意味では「necessitate」「call for」が正答の言い換え選択肢として機能します。
【実態検証】ビジネス現場で失敗する人・評価される人の使い分け基準
ビジネスコミュニケーションにおける語法の選択は、単なる文法の正確性を超えて、相手との関係性や組織内の心理的安全性に直結します。
【プロの結論】おすすめできる文脈・慎重になるべき場面の判断基準
【requireを使うべき場面(推奨)】
・法務・コンプライアンス関連の通知:社内規定、秘密保持契約(NDA)、情報セキュリティガイドラインなど、組織としての厳格なルールを周知する場合。
・採用要件・資格条件の明示:「A minimum of 5 years of experience is required for this role.(この職種には最低5年の経験が求められます)」のように、客観的スペックを提示する場合。
【requireの使用に慎重になるべき場面(非推奨)】
・社外クライアントや対等なパートナーへの協力依頼:「We require you to send the data.」と書くと、上から目線の命令・強要と受け取られ、ビジネス関係を損なう恐れがあります。この場合は「We would appreciate it if you could send...」や「Could you please provide...」を用いるのが鉄則です。
・部下への日常的な指示出し:日常のタスク依頼で頻繁にrequireを用いると、マイクロマネジメントや威圧的な印象を与えかねません。「Please handle this task by 3 PM」や「Could you take care of this?」が適切です。
【require a to b】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「require A to do」と「make A do(使役動詞)」の違いは何ですか?
A1:makeは「(主語の力や意志によって)強制的にAに〜させる」という直接的で強力な使役を表します。一方、requireは「規則や契約、客観的な条件に基づいてAに〜することを義務付ける」という公的なニュアンスを含みます。
Q2:「It is required to do」という形は使えますか?
A2:一般論として「〜することが義務付けられている」と言う場合、形式主語を用いた「It is required to do...」の形は可能です。ただし、実務やTOEICでは「Persons are required to do...(人が主語)」または「It is required that S V(that節)」の形式がより自然で多用されます。
Q3:requireとneedの使い分けはどのように判断すれば良いですか?
A3:needは主観的・実質的な「必要性(不足しているものを補う)」を指し、日常会話からビジネスまで幅広く使われます。requireはよりフォーマルで、公式な基準や第三者の要求による「必須要件」を指す場合に適しています。
まとめ:正確な語法理解がビジネス英語とTOEIC攻略の鍵を握る
動詞requireは、「require A to do(Aに〜することを義務付ける)」「be required to do(〜することが求められている)」「require that S (should) 原形」「require A of B」という4つの主要パターンを体系的に整理することで、文法上の迷いが解消されます。
単語を単一の日本語訳で覚えるのではなく、後ろに続く前置詞や文型、客観的な強制力というニュアンスまで把握することが、TOEICでのスコアアップおよびグローバル実務での信頼獲得への最短ルートとなります。 (出典: require a to b(Yahoo!ニュース))